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きますと「子どもの写真を持って来て」と言われまして、見せてあげると「可愛い子やなあ」と本当に喜んで、心待ちにしておりました。何度か、こんなことがありまして、早急に話しを進めていただき、おかげさまで祖父と一ヶ月余り、暮すことが出来ました。
子どもが家に来たのが、昭和56年12月25日のクリスマスの日でした。前日のイブには、聖家族の家の教会で、パーティがあり、子どもと共に、過ごさせていただいた一日が忘れられません。又、サンタさんに、こんな素敵な贈り物を頂いた喜びで一杯でした。その時、子どもは7ヶ月だったのです。寝たきりの祖父と子どもで、大変な日もありましたが、成長する子どもの笑顔が何よりの励ましになりました。
大した病気もなく、6ヶ月が無事に過ぎて、昭和57年10月28日に入籍しました。子どもは養女であることはあたり前です。しかし、戸籍の活字を見て、体が震えて震えて止まりません。役場の人に「これ何とかなりませんか」と思わず言ったのですが、ダメでした。おんぶしている子どもの足を握りしめて、涙を拭きながら帰りました。とても、くやしい思いと同時に、子どもがこれを見た時、どんな思いになるのかと思

 

 

 

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